あの頃の君へ〜eternal love〜
『そろそろ行くか?』



『…うん。』



夕陽も沈み始めた頃、



館内に閉館を知らせる
アナウンスが流れた。



『あーあ!』



『あともうちょっとだけ
ここに居たかったなぁ…』



『ああ。俺も。』



眩しい夕陽に照らされながら



2つの大きな陰も
寂しそうに揺れ動いた。



また来年ここに来よう。



そして2人で笑い合うんだ。



その時はもう恋人同士じゃない。



本当の"家族"として。



『ところで…』



『今日はまだ大丈夫だよな?』



『うん。』



『大丈夫だけど…どうして?』



助手席に座る美希が



キョトンとした目で俺を見つめた。
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