ヤンデレなら、病んで下さい!
「バカップル界に行ったままなのね。どうせ、彼の着信音はあんたの声オチが待っているんだろうけどーーでも、まあ、そんな着信音にしていれば、まず男は寄って行かないわね。断るのが難しい時には、それを鳴らしなさい。無言で男は去っていくわ。ーーというわけで」
ノートに書かれた『一、とりあえず断ろう』の横に、花丸を書いた紅葉ちゃん。
「よし。二や三も考えていたけど、あんたの性格は直らない、むしろ直してはならないものとして、幕閉じ!はい、撤収!」
「まってー!」
それじゃダメなのっ、と紅葉ちゃんの腕に縋る。
「こ、このままじゃ、彼に嫌われちゃう!心配ばかりかけさせる手の掛かる女だって飽きられちゃうかもしれないっ」
「ないない。むしろヤンデレは、好きな相手の世話を焼きたがるものなの。尽くしたがるタイプにとって、あんたみたいなのは最高の相手よ。どうせ、『家事も何もしなくていいよ、俺が全部やるから。ただし、一緒に暮らしたらの話だけど』とか、言われてんでしょ」
「確かにそうだけどっ」
「言われたの!?」
「で、でも、心配かけさせるって、ーー彼の負担になっている気がして……」
嫌なんだ。
彼には彼の時間があるのに、私のせいで全部、休む暇もないようで。
さっきの電話だって、きっと彼はずっと考えていたんだろう。普段ならメールが届かなくても、返事を催促してくることなんかない。
うっかり忘れてしまう私の性格を分かっているからこそのこと。
甘えすぎている、私が悪い。
直したいのに、直せないだなんて。