ヤンデレなら、病んで下さい!
『二、そんなムードになったら、きっぱり拒絶しよう』
「し、紫暮さん、今日はーー」
言う前に、唇を塞がれた。
紫暮さんの唇で。
舌が絡み合う。口腔から頭までもかき乱される思いとなり、口を離した瞬間、大きく呼吸する。
「嫌だった?」
彼の鼓動を感じながら、頭上でそんなことを言われたから、首を振る。
肩で息をしていれば、呼吸に合わせて背中をさする大きな手。服を着ているはずなのに、彼の温もりがよく伝わるようだった。
『プラトニックラブなヤンデレなら、彼女が嫌と言えば、性欲を無きものに出来るわ。見ているだけでも幸せとかで、隣に彼女が寝ていようとも、微笑ましい気持ちでその寝顔を一晩中見ることが出来るピュアラブを持っているのよ!』
ごめん、紅葉ちゃん。私が我慢できなくなっちゃったよ……
もう拒絶なんか出来ない。彼のことが好きすぎる事実は消えないんだもの。
顔を上げる。彼と目が合った。
かっこいい、なんて見惚れる笑顔。
普段は爽やかな印象なのに、今はどこか惹かれてしまう毒を持っているような。
「上目遣い。他の男の前ではやらないでね」
額に口付けをされ、髪を撫でられる。
「わ、私、小さいから」
「大きい奴前にすれば、自然と上目遣いになると思ってる?ないよ、こんな接近しなきゃ、この顔は見られない」
頬に彼の両手が添えられる。
「潤んだ瞳が綺麗だ、艶やかな唇が妖艶だ、赤く熱を帯びた頬が愛らしい。そうして何よりも、感情を素直に出す表情をもっと見ていたい。間近で、笑ったり恥ずかしがったり、色んな顔を見ていたいよ」
「し、紫暮さんっ」
さすがに離れてしまう。
彼が言うところの恥ずかしがっている表情をしてしまいながら。