ヤンデレなら、病んで下さい!
(三)
目を開けると、見覚えある天井を真っ先に見る。
まだ頭がぼーっとするけど、ものの数分で鮮明になるだろう。
よくある光景。紫暮さんの部屋に泊まった時は、こうしてベッド上で目が覚める。
リビングのソファーや、浴室、はたまた台所でと、そういった行いをし、私が先に眠るのだけど、起きれば決まってベッド。彼の腕枕つきで快適な睡眠をしている。
目をこするーーという、寝起きの動作が出来ない。
「んー?」
利き腕たる右手を動かしたつもりなのに、カチャカチャ音が鳴る。手首から。
頭を上に向ければ、まだ私、寝ぼけているのかな。という事態に陥っていた。
「手錠……?」
現物を見たのは初めてだ。右手首から、ベッド上部の柵にはめられた鎖の輪。左手の自由は利くので、軽くいじってみるが、外れることなんかない。
「……」
考える。