ヤンデレなら、病んで下さい!
「今日は、私のストーカーだったんですか」
「少し引っかかる言い方だけど、そうだね」
「だから、紅葉ちゃんとの会話も聞いていた?」
「俺をヤンデレにしようとか、病ませようとか言っていたね」
「それで、ヤンデレになったんですか」
「あの幼なじみが言っていた通りにやってみた。さすがに媚薬は用意出来なかったけど、睡眠薬はあったから。眠れない理由は、さっき話した通りだよ」
「て、手錠……」
「百均の」
「百均!?い、いいんですかっ、犯罪者を捕まえる物が百円で!」
「それは玩具用のだよ。だいぶ前に宴会グッズコーナーで見つけたのを思い出してね。雛と同じく、こんなものが百円で買えるんだと印象に残っていたんだ。付け加えれば、玩具だから、雛の力でも簡単に壊せるよ」
なら、と試してみようとしたところ、手首が痛むからとの理由で彼に止められた。
「外すから、動かないで」
と、取り出したるは鍵。
飲み込んだはずの鍵が、また彼の右手に。
「に、人間ポンプ」
「また懐かしい言葉を……。そこまで器用じゃないよ。飲み込んだふりして、こっそり出しただけ」
じっとしてね、と手錠が外された。
右手を動かそうにも、今度は彼の手のひらで拘束される。痛みなんかない、優しい手のひらが重ねられた。