俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


後ろから聞こえてくるクラクション音に振り返ると、亮平の車が横付けした。

こんな風に車を待つのも、しばらくないんだ…。

この通りを、あさってからどんな感じで歩くんだろう。

それを考えてしまって、切なくなった。

「お疲れ、香乃子。新しい編集長はどうだ?厳しいだろ?」

「厳しい、厳しい。須賀さんてば何を考えてるのか、まるで亮平みたいなの」

そう。

亮平の後任は、プロジェクトでも評価を受けた須賀さんだ。

本人は編集長職にかなり乗り気で、周りからは第二の高垣と言われている。

「そんなに気合いが入ってるのか?そりゃ、やりがいがあるな」

ご機嫌で笑う亮平に、わたしは頬を膨らませた。

「笑ってる場合じゃないってば。会社で寝泊まりも継承してるのよ?」

と言ったところで、亮平は大爆笑だ。

運転操作を誤るんじゃないかってくらいに、大笑いをしている。

こうやって、何気ない会話をしているのはわざとで、きっと亮平もそうだと思う。

最後の夜を、ジメジメしたものにしたくないから。

ううん。もしかしたら離れる現実を、まだ受け止められないだけかもしれない。
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