ただ、君の隣にいたいだけ
不思議、今ここは公園のベンチであれからもう13年も時が経っているのに鮮明に思い出せる。
ううん、重なって感じる。
ウサギの観覧車に乗りたくてワガママを言って係りの人を困らせた私の頭を優しく撫でて「ウサギの観覧車に乗ろうな」って言ってくれた。嬉しくて笑顔を返すとまた優しく撫でてくれたんだ。
観覧車がゆっくりと上がっていくと乗り物に乗ってる人たちがどんどんと遠ざかっていって最初はお母さんたちが手を振ってくれていたこともわかったけれどちっちゃくなって見えなくなっていった。
その代わり見えてきたのは海。山と海に囲まれた青池の景色が広がる。あまりにも高いところまで上がるから少しだけ怖がっていたら隣においでって声を掛けてくれた。
「嬉しかった、です。どうしても乗りたかったから。夢を叶えてくれてありがとうございました」
目の前には15歳の少年と同じように少し照れたように笑う亮輔さんの姿。
あのとき、私は初めて男の人にドキドキしたんだよね。今、思えばあれが私の初恋だったのかもしれない。そう考えるとなんだか妙に緊張してきた。
忘れていた初恋が鮮明に蘇って、その人が今目の前にいるんだから。
ううん、重なって感じる。
ウサギの観覧車に乗りたくてワガママを言って係りの人を困らせた私の頭を優しく撫でて「ウサギの観覧車に乗ろうな」って言ってくれた。嬉しくて笑顔を返すとまた優しく撫でてくれたんだ。
観覧車がゆっくりと上がっていくと乗り物に乗ってる人たちがどんどんと遠ざかっていって最初はお母さんたちが手を振ってくれていたこともわかったけれどちっちゃくなって見えなくなっていった。
その代わり見えてきたのは海。山と海に囲まれた青池の景色が広がる。あまりにも高いところまで上がるから少しだけ怖がっていたら隣においでって声を掛けてくれた。
「嬉しかった、です。どうしても乗りたかったから。夢を叶えてくれてありがとうございました」
目の前には15歳の少年と同じように少し照れたように笑う亮輔さんの姿。
あのとき、私は初めて男の人にドキドキしたんだよね。今、思えばあれが私の初恋だったのかもしれない。そう考えるとなんだか妙に緊張してきた。
忘れていた初恋が鮮明に蘇って、その人が今目の前にいるんだから。