涙色の空をキミに。
「メニューも結構美味しそう。」
4人のテーブルが空いていたので、私の左隣が渚沙で目の前が夏芽、彩が左斜め前の席に座る。
メニューを広げてみると女子の心をくすぐる可愛らしいスイーツがたくさんあった。
「本当だ、迷う〜!」
「これで本当に美味しかったらまた来ちゃいそう。」
彩と夏芽の言葉に共感しながらもメニューから頼むものを選ぶ。
いっぱいあって迷うけど…、これにしようかな。
ブルーベリージャムが乗っかっているワッフルの写真を見て、決めたところで渚沙にメニューを渡す。
「本当に美味しそうだね…、夢空ちゃんは何にしたの?」
「私は、そのブルーベリーのワッフル。」
「本当だ、美味しそう。どうしようかな…。」
目を輝かせて悩む渚沙が可愛らしくて思わず口元が緩む。
顔を上げて前を見ると、決め終わった夏芽とまだ悩みまくっている彩が見えた。
対照的すぎる。
ちょっと笑いそうになったのを堪えて待っていると、渚沙が「決めた」と嬉しそうに報告してきたのでメニューを覗き込む。
「この苺のパンケーキにする!」
「なんか渚沙っぽいね。」
パンケーキの上に苺と苺ソースがふんだんにかかったそれは見た目からして可愛い。
当の本人は、不思議そうにキョトンとしていたけど。
「渚沙と夢空は?決まった?」
「うん、決まったけど…、夏芽と彩は?」
「私はチョコレートケーキ。…彩がバナナ味のケーキとミルクレープで迷ってる。」
呆れたように言う夏芽から横へ視線をずらすと彩が頭を抱えながら悩んでいるのが視界に入る。
カフェで何かを頼むだけなのに、そんなに真剣に考えるもの…?
「うー…、決めた!バナナにする!」
「はーい、了解。」
意気揚々と片手を上げた彩に夏芽がサラッと返事をして店員さんを呼ぶボタンを押した。