涙色の空をキミに。
少ししてやってきた店員さんの注文を言い渡すと、少し緩んだ空気にふうっと息を吐く。。
その後4人で会話をしていると、すぐに4人分のスイーツが運ばれてきた。
「いただきます。」
誰からともなくそう言って、ワッフルにフォークを入れる。
そのまま口の中へ運ぶと、少しだけ酸味のある甘さが口に広がった。
「美味しい…!」
スイーツとかはあんまり食べないけれど今まで食べた中で1番美味しいかもしれない。
「ほんとだ、美味しいね。」
「うん!幸せ〜っ…」
みんなそう思ったのか私が漏らした声に同感して食べ進めていく。
今度また誰かを誘って来よう、と思っちゃうくらい夢中で頬張っていると、前から安心したように少しだけ笑いが零れたのが聞こえて、ふっと顔を上げると彩と夏芽が私を見ていた。
「良かった、夢空がやっと幸せそうに笑った。」
「…え?」
夏芽の言葉がよく理解できなくて思わず聞き返すと、彩が続きを教えてくれる。
「夢空、ここ1週間くらいずっと元気なくて何か考えているみたいだったから。…私達は夢空に色々してもらってばっかりでお礼出来てなかったから、せめて今日夢空を元気に出来たらなあって。」
その言葉に、手の動きが止まった。
…今日、遊ぼうと計画してくれたのも、私が元気なかったから…?
「彩ちゃんと夏芽ちゃんが全部考えてくれたんだよ、このカフェを見つけたのだって美味しいもの食べたら何か元気出るかなって彩ちゃんの提案なの。」
渚沙が首を傾げて言うから3人の顔を見渡すと、してやったりみたいな笑顔を浮かべていて。
…本当、どんだけ私の涙腺を崩壊させる気なんだ。
「…夢空はいっつも頑張りすぎ。しかもそれを1人で抱えすぎだよ。私達は少し頼りないかもしれないけど、話くらいなら聞けるよ。」
夏芽の言葉に潤んだ目を隠すように、フォークを置いて手で顔を覆った。
…夏芽達はもう、十分私を支えてくれている。
もう十分すぎるくらい、いつも元気もらっているんだよ。