LOVE・ホテルに行こう。
「へっ?」


「私の話し聞いてなかったの?
だからね、直樹が私が浮気してるって勘違いして大変だったって言ったじゃない。その後、誤解が解けてね。その後の直樹ったら…激しいの……朝から…。もう二度も言わせないでよ~。恥ずかしい~」


私の肩をバチンと叩き手で顔を隠してる智子。


オノロケ話か?


私の話からいつの間にか智子のオノロケ話に変わってた。


半年前に結婚して新婚の智子。
幸せボケの智子の話を聞き流し田村君と会ったらどうしようと考えてた。


違う課だけど同じフロアで働いてる。
意識すれば顔を合わせられる田村君との距離。


意識して田村君の課の方を見てない。


「ちゃんと話しなさいよ。小悪魔、美久ちゃん」


「…小悪魔って…酷いな」


「今のあんたにはピッタリの言葉でしょうが。誘惑しといて連絡も取らないで。あ~、田村君、御愁傷様だわ。もうさ、始まりはどうであれ付き合っちゃえば?いいと思うけど、真面目だし性格いいし。もしかして狙ってたの美久?」


「…」


「でも田村君、人気あるし敵多いかもね。
職場で敵作ってもね~」


以前、田村君と同じ課だった智子。
田村君の新人指導をしてたのが智子だった。
私も隣の課だったから挨拶とか軽い世間話は田村君とはしてた仲。


二年前に配置転換があり田村君は別の課に配属になった。同じフロアだけど遠くなった席。それから段々と話す機会は少なくなってた。






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