LOVE・ホテルに行こう。
ドラッグストアを出た頃には雨はあがっていた。


「月、出てる」


田村君がポツリと呟いた。
同時に私も見上げる。


「本当だ。…綺麗」


雨で空気が洗われ 一段と明るく見える。


「……どうして…泣いてたの?」


さっき私が泣いてた理由。
なんて言ったらいいんだろう。
頭の中で言葉を探し出す。


月を見上げながら少しの沈黙が2人に流れた。


「…ごめん。…プライバシーの侵害?
そりゃ泣きたくなる事もあるよね。ごめん、変な事言って」


興味本意で聞いてるんじゃなくて心配してくれてるのがわかるから話を聞いて欲しかった。


「……私ね。半年前に彼氏と別れたの。
薄々わかってたんだよね、私に気持ちが無くなってたこと。
別れ話出た時も、ヤッパリか~って。
涙も出ない程、アッサリ別れた。
最近まで忘れてた元彼の事なんか。
でも結婚するって聞いて少なからずショックだった。
私には何が足りなかったんだろうって今頃になって考えちゃって。
でも答えが出る訳でもなくて頭の中で堂々巡り。
…たぶん、知らず知らずの内に心がイッパイイッパイになってたんだと思う。


…だから、…うん。そんな感じかな。
上手く説明出来ないけど。」


最後は背伸びをして澄んだ空気を吸い込んだ。


納得してくれたかな?
私の言いたかったこと。


「…そっか」


短い返事した田村君。


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