LOVE・ホテルに行こう。
「だからね。当分、好きとか嫌いとかいいかなって。疲れちゃった、考えることに」


「…そっか」


短い返事の後に私の頭をポンポンと撫でた。
そして近づいてくる田村君の顔。
軽く唇が触れる。


当たり前のようにキスする田村君に驚き


「あっ、えっ、えー、な、何?」


訳が解らず言葉が詰まる。


「キス」


「それはわかってる。そうじゃなくて私の話、聞いてた?」


「うん」


悪びれた風もなくアッサリ返事する田村君。


人通りが少ないとは言え街中。
こんな所でキスなんて恥ずかしい。


イヤイヤ、そうじゃなくて。


「ちょっと、ひとまず離れようか?」


田村君の体を押し一歩、私が後ずさる。
気を落ち着かせるようにユックリと口を開く。


「私が言いたいのは、なぜ今キスするのかって事」


「俺、美久の彼氏だよね?」


「…」


「彼女が落ち込んでたら慰めたいって思うのはおかしいかな?」


「…」


「俺達の間に好きとか嫌いとか無くても美久は俺の彼女だから。…2ヶ月間は俺の彼女だから。俺がキスしたいって思ったらするし抱き締めたいって思ったらそうする」


「…」


「そう思わせたのは美久だよ。美久だけが俺を求めて俺は駄目なの?」


ウッッ。


それを言われちゃうと何も言えない。
私の今日の行動は明らかに求めた。


ギブアンドテイク。
その言葉を思い出す。


再確認。


私達はギブアンドテイクで繋がってる事。


「…わかった。わかったけど街中とか人前でとかはやめて。…それにいつもいいって訳じゃないからね、私の意志も尊重してよね」








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