エタニティ
私は向いの席で、委員長と談笑する智世に声を掛ける。

智世は気を利かせているつもりらしく、決して私と葉山君に話し掛けて来ない。

それどころか、私達に話し掛けようとする人を、巧みにブロックしていた。

私の気のせいではないと思う。

「智世はこの後どうするの?」

「久しぶりの東京だもん、美知佳付き合ってよ」

そして、葉山君の方を見てニコリと笑う。

お~人妻、会心の笑みだわ。

「葉山君、お薦めのお店に案内してくれない?」

……智世ってば、どうしちゃったのよ。

2次会に行くかって話しをしていた筈なのに。

「お薦めか。俺の知ってる店も結構潰れててさ。あ、でも、俺が学生の頃バイトしてた店なら。ここから近いよ」

「へぇ、いいわね。行くでしょ、美知佳」

「えっ」

思いも寄らぬスピードで決まっていくものだから、その速さに付いていくことが出来ず、暫し固まった。

「『えっ』じゃなくて。行くわよ、美知佳」

「うん、良いけど……」

智世の妙な迫力に押され、私はコクリと頷いた。
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