素顔のキスは残業後に
余裕げな表情でネクタイを緩める彼を横目に「騒ぐだろ――!」って、全力で騒いでやりたい気持ちを無理矢理抑える。
落ち着いて、私! だって、いまこのピンチは彼に頼るしかないんだから!!
「で? なに」
「いえ。あの、ちょっと財布をですね――…それでお金に困ってて」
多分、いや絶対! (そうじゃないと困る)
会社のデスクにあるはずの財布をすぐにでも取りに行きたいって思った。
だから地下鉄の終電が終わったいま、会社に戻るタクシー代を貸して貰えたらなぁ。
なんて、図々しいことを考えてしまった。
だって自分の財布よりも何よりも、由梨さんから預かったカードキーの行方が気になって仕方がなかったから。
切羽つまった顔で彼を見上げると、柏原 柊司は迷う仕草も見せずにスーツのポケットに手を入れた。
なんだ。いい人だよ。よかった。それに詳しく理由も聞かずに貸してくれるなんて、さすが花形エリート所属は違うよね。
落ち着いて、私! だって、いまこのピンチは彼に頼るしかないんだから!!
「で? なに」
「いえ。あの、ちょっと財布をですね――…それでお金に困ってて」
多分、いや絶対! (そうじゃないと困る)
会社のデスクにあるはずの財布をすぐにでも取りに行きたいって思った。
だから地下鉄の終電が終わったいま、会社に戻るタクシー代を貸して貰えたらなぁ。
なんて、図々しいことを考えてしまった。
だって自分の財布よりも何よりも、由梨さんから預かったカードキーの行方が気になって仕方がなかったから。
切羽つまった顔で彼を見上げると、柏原 柊司は迷う仕草も見せずにスーツのポケットに手を入れた。
なんだ。いい人だよ。よかった。それに詳しく理由も聞かずに貸してくれるなんて、さすが花形エリート所属は違うよね。