素顔のキスは残業後に
微動だに出来ない私の頭上に影が射す。

落ちている写真に歩み寄った由梨さんとの間に、重苦しい沈黙が静かに流れて、



「話があるの」


先に口火を切ったのは由梨さんだった。









新幹線の時間まで1時間あるという。

静かな場所を探し求めて辿り着いたのは、東京駅構内にある喫茶店だった。


知っている顔がいないかどうか店内を確認してから、入口から死角になるボックスシートに座る。

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