素顔のキスは残業後に
「ちょっ…想像でそこまでって、ひどいです」

「まぁ。曲がったことが嫌いだから後先考えずに突っ走ろうとするし。誤解もされやすいけど、悪い奴じゃない」

「わかります」

「それに一度餌付けしたら、パシリにもなってくれるし。使いこなせばなかなか便利だ」

「ひどいですね」


そう。そうやってわざと意地悪を挟んで誤魔化そうとする。

でもそれが彼らしくて自然と頬が緩んでしまう。深く心に染み入る優しさに、またまぶたが熱くなる。

そしてそんな私に、彼はすぐ気付いてしまうから。
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