スタートライン~私と先生と彼~【完結】
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3学期の始業式の朝、寒さに凍えながら、駅からの道を歩いていたら、後ろから声を掛けられた。
「おはよ〜」
振り返るとなぜだか満面の笑みの理香と奈緒だった。
「おはよ」
私は、2人に反してごくごく普通のテンションで挨拶をした。
「沙知、あんた笠野くんとはどうなん?」
やっぱりか・・・それを聞きたくて、笑顔になっていたわけね。
「どうって?あれから会ってないけど」
「そうなん?もっと会わないと!」
なぜか説得するように理香は私に訴えた。
「なんで?」
迫ってくる理香を避けるように私は、疑問を投げかけた。
「あんたね・・・」
理香は呆れたような顔をして、ため息をついていた。
いい人やと思ったけど、二人でどこかへ行こうなんて思わないし、向こうも誘わないところをみたら、どうでもいいのかなって思うし。
一方、奈緒と梶原くんは、うまくいっているらしい・・・。
「ほら!沙知も頑張りなさい!」
「頑張りなさいって言われても・・・。向こうがどうでもいいんじゃない?」
「あんた、わからんの?笠野くんはあんたのこと気に入ってるで!」
理香が手振りを交えて力説する。
「やっぱり、そうやんね?」
奈緒も続ける。
「・・・・・・」
私は黙り込む。
「じゃあ、いいこと考えた!」
理香の『いいこと』はろくなことじゃない!でも言っても聞かないから聞き流す。
変なことを考えてなかったらいいんやけど・・・。