スタートライン~私と先生と彼~【完結】
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大学の卒業式も終わり、4年間過ごしたこの地ともお別れ。
この地で隆と過ごした時間は、私の人生で忘れることはできないだろう。
私は実家に戻り、隆は会社の近くでアパートを借りるらしい。
「やっぱり、沙知といちゃいちゃしたいし。声も気になるやろ?」
そんなことを言いながら私を彼の表情は、悪魔のようだった。
それに対し、「アホ!」と言うと、「沙知、顔が赤いよ?どんな想像したの?」なんて、さらに意地悪く言ってくる。
今まで歩いて5分の距離から、電車で1時間の距離となってしまった。
離れるのは距離だけやんね?
私は不安で不安でしかたなかった。
いつもそばにいてくれた隆がいなくて、その代わりに毎日会うのは先生だなんて・・・なんて皮肉なことなんやろう。
隆は一足先に入社式を迎えた。
帰って来た隆は私に残酷なことを話した。
「来週から1ヶ月、東京へ研修やって」
「1ヶ月も?」
隆がいないなんて考えられへんし。
「寂しい?」
隆は私の顔を覗き込み言った。
「寂しいよ・・・」
隆は優しく抱きしめてくれた。
寂しさと不安を打ち消すように抱き合った。
大丈夫やんね?
私たち。
きっと隆の方が不安なんやろうな・・・。
私は涙を堪えて、寂しさを紛らわすように、隆の胸の中に顔をうずめた。