スタートライン~私と先生と彼~【完結】


社会人1日目はいろんな話を聞き、山のような課題などを熟していた。

終わったのは18時過ぎだった。

いつの間にか職員室には数人の先生しかいなくなっていた。

帰る用意をして残っている先生たちに挨拶をし、職員室をあとにした。

職員用下足場で靴を履き換えていると、後ろから話し掛けられた。


「原田先生」

「はい」

目の前には、斎藤先生が立っていた。夕日を背にしているから、先生の表情はよく見えなかった。

「今、帰り?」

「はい」

「メシでもどう?」


4年前では考えられない台詞に、一気に胸が慌ただしく動き始めたのがわかった。

こういう風に誘われたのは初めてだったので、答えるのに戸惑っていると、「嫌か?」と先生の心配そうな声が聞こえてきたので、「いえっ!大丈夫です」と妙にハキハキと答えてしまった。



「ははっ、じゃあ、行こうか?」

「はい」


先生の背中を見つめて歩くと、どんどん緊張が増してきて、手と足が一緒に出ているのではないかというくらいぎこちない動きになっていることがわかった。


< 242 / 353 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop