スタートライン~私と先生と彼~【完結】


俺ら3人がファミレスに着くとすでに女の子達が待っていた。

俺の目の前には3人の女の子。


一人は茶髪でアップにしていて、背も高く、大人っぽいが、笑顔がかわいい子。この子が木下の彼女の手越さん。


その隣は、少し背は低く髪を巻いていて、よく話す子。橋本 奈緒さん。


そして最後は、すらっと背が高く、さらさらの肩までのストレートヘアでぱっちりの目がかわいい子。

愛しのさっちゃん。


でもさっちゃんはすこし不機嫌そう??

嫌やったんかな??

とりあえず、話をしたいなぁ。

運よく橋本さんが圭の事を気に入ったようで、俺とさっちゃんの二人になった。


どんな話をしよう・・・。


今の学校は男子が極端に多いから、女の子と話すなんて久しぶり。

俺は緊張しながら、話し掛けた。


「沙知ちゃんっていうんやね〜。『さっちゃん』って呼んでいい?」


「いいですよ・・・」


うわっ、あからさまに嫌な顔されたし。俺が馴れ馴れしいんか・・・。


「じゃあ、さっちゃん、俺の事は『りゅう』でいいから」

「はぁ・・・」


やばい。絶対に引かれてるし。

巻き返さないと!


「さっちゃん、何か飲む?取ってくるよ」


そう、彼女の分まで取ってきてあげて、印象をよくしないと!


さっちゃんは、「自分で・・・」と言ったけど、「気にしないで」と言うと、「オレンジジュースがいいな」と遠慮がちに言ってくれた。


『いや自分で行きます』とか言われたらどうしようかと思ったけど、頼んでくれたのが嬉しかった。


「了解」

俺は親指を立てて言い、ドリンクバーへ向かった。

俺らは食事をしながらいろんな話をした。

話が進むとさっちゃんに笑顔も出て来た。


食事をする姿も、俺の話を聞いてくれる表情も可愛くて、自分の表情がどんどん緩んでくるのがわかる。

俺はさっちゃんがどんどん好きになってきた。

さっちゃんの笑顔が加わり、目の前の定番のオムライスもスペシャルオムライスになっていた。


「隆、口元にソース付いてるよ」

と自分の左の口端を人差し指でトントンと触れ教えてくれた時の笑顔には、その場で溶けてしまいそうだった。


やばいです!

好きすぎてやばい!


隣の席に目をやると、圭と橋本さんはあまり話していないようだ。

それでも橋本さんは嬉しそうにしている。

俺は圭とは中学から一緒で、圭は昔からモテていた。

過去に2度程、女の子と付き合った事があったが、どちらも辛い過去である。

今回は、うまくいってくれたらいいが・・・。


「さっちゃん、メアド教えてもらっていい?」

「あっ、いいよ」


よっしゃ!これで連絡は取れるぞ!


その日、家に帰ってメールをしてからは、メールはするものの二人で会ったりはできないでいた。


誘って、断られたらもう二度と誘えないだろうから・・・。




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