スタートライン~私と先生と彼~【完結】
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ある日バイトをしていたら、どこかで見たことのある男が来た。
あの鋭い目・・・。
さっちゃんのバイト先の男。
前にも一度来て、俺のことをずっと見ていたような気がしていた。
「ご注文はお決まりですか?」
「アイスコーヒー」
その男は顔を上げると、俺の顔を覗き込んだ。
「あれ?一度会ったことあるよね」
わざとらしく、男は言った。
「はい・・・」
「沙知の友達やんな?」
はぁ?
沙知ってなんや?
友達?
「・・・いえ、付き合ってるんですけど」
こんなことは言うべきではなかったのかもしれないが、俺がさっちゃんの『友達』ではなく『彼氏』だと言っておきたかった。
「そうなん?沙知、全然そんなこと言わなかったし。ただの友達やって言ってたからさ。それに、俺と付き合いたいって言ってたし」
嘘やろ?さっちゃん?
「・・・・・・」
「あいつ、結構軽いから気をつけてた方がいいで」
お前が軽いんやろ!
俺はの前の男を殴りたかったが、拳をにぎりしめて我慢した。
こんなこと、嘘であって欲しい。