スタートライン~私と先生と彼~【完結】
「で、何て?」
腹の中は、グツグツと沸騰しかけていたが、できるだけ冷静に聞いた。
「えっ、好きって」
「じゃなくて、さっちゃんは何て言ったの?」
「彼氏がいるって言ったよ」
そうか、ちゃんと言ってくれたんだね。
でも、俺が聞きたいのはそこじゃないんだ。
「で、男は?」
「2週間で、彼氏から奪ってやるって」
ほら、嫌な予感がしたんだ。
教育実習が始めて数日しか経っていないのに告白してくる奴が、彼氏がいるからって黙って引き下がるとも思えない。
俺は、大きく息を吐くと、腕を組みベッドにもたれかかった。
「へ〜言ってくれるやん!」
気持ちはわかる。
俺だって、文化祭の時あいつに『負けませんから』なんて言ったし。
本気で負けないつもりなんだろうな。
面白いやん・・・んなわけない!
「あーあかん!」
頭を抱えてると、髪を乱した。
「せっかく、クールにきめようとしたのに、やっぱり気になるし」
「大丈夫やで」
さっちゃんはそう言うと、俺の手を取り、目を見つめてくれた。
それでも全ては晴れることはなかったが、彼女に笑顔を見せた。
「さっちゃん、ありがとう」
さっちゃんを抱きしめると、「隆・・・ありがとう」と耳元で言われたのが、くすぐったくて・・・でも心地よかった。