スタートライン~私と先生と彼~【完結】


「それは違うよ。年上、年下は関係ないけど・・・。先生と生徒は・・・世間からはあまり認められるものじゃない。だから、私は受け入れることはできないんよ」


三島の言葉にも驚いたが、それ以上にさっちゃんの言葉には度肝を抜かれた。

彼女から、こんな言葉を聞くとは夢にも思っていなかった。

三島という生徒もそうだが、俺も何も言うことができず、固まってしまった。


「まぁ、私と付き合いたかったから、卒業まで好きでい続けるんやね。あと2年やね。無理でしょ?」


さっちゃんにしては珍しく、子供っぽく、挑発的な言い方をしていた。

その言葉に、三島は悔しそうに下唇を噛んで、自分の感情を抑えているようだった。


「わかった」

これまでの勢いをなくし、静かに言った三島は、少し大人になったように見えた。でもな、辛いんやぞ?わかってないやろうけど。


「好きな人が他の男を見てるってのは・・・辛いぞ?」


思わず言ってしまった。

でも、この先、本当にさっちゃんのことを好きでい続けたら、辛いということを教えてやりたかった。


「はぁ?あなたに何がわかるんですか?僕の好きな先生と付き合ってるくせに!」


そう、そうやで。

今はね。

何も知らないお前は、何の苦労もなく付き合ってると思ってるだろうな。


「三島君、言い過ぎやで」

さっちゃんは、止めてくれたが、、三島と俺はにらみ合っている。

もはや、男と男の戦いだ。だから、邪魔はしないでくれ。言ってやるから。


「いいよ。今は沙知と付き合ってるけど、俺は3年間片思いだったからな。辛いぞ〜」

俺はそう言って、笑い飛ばした。

辛いってもんじゃない。自分でもよく我慢していたと思う。

ただ・・・さっちゃんに振り向いてもらえる自信がなかったからだ。


三島は、俺に怖じけづいたのか、それ以上反撃はしなかった。


「でも・・・僕は諦めませんから」

悔しそうに唇を噛み締め、俺を睨んできた。

その表情が、強がってるようにしか見えなかったので、俺の中で少し余裕が出てきた。


「楽しみにしてるよ」

と止めを刺すように言い放った。


「さようなら」

三島は、どこか寂しそうに言うと、俺らに背を向けて立ち去った。


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