読書少女
というか杏香といると自然に情報が集まってくる。
それに、廊下を歩いていれば聞こえてくるものだ。
この世は不用心。
情報がそこらに散らばっている。
「不死鳥は…消えない」
「消えたんだろ?」
「消えない」
ソイツは自分にも言い聞かせるように繰り返した。
…忘れればいいのにな、なんて。他人の私が言えることじゃないが。
「それを言いにわざわざ?」
だとしたら呆れるしかないだろう。
「いや…死神が動き出したらしくてな」
「死神…ねぇ」
フェンスにもたれながら仮眠をとろう、そう考えながら思い浮かべる。