たゆたえども沈まず

夏休みに見かけた時は金髪に近かった髪の毛も黒くなっている。

久喜は先生を敵に回さないぎりぎりを保っているなあと感じる。

人との付き合い方が上手い。

「リスみたい」

「んー?」

「もし久喜が忘れてそのままにしちゃったら、花が咲いたりしてね」

「ピアスの花? 随分可愛いもんが咲くのな」

ケラケラと笑う声を聞く。いつの間にか久喜の教室を過ぎていて、私の教室の前まで来ていた。

「じゃあ、俺が忘れてたら温が掘り返しといて。花になる前に」

もしかして送ってくれた? と聞く前に、久喜は背中を向けて自分の教室へ戻って行った。


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