たゆたえども沈まず

花は、咲いていない。

「……当たり前か」

一人でちょっと笑った。

久喜みたいに軽々と窓を越えられる運動神経が私にあるはずもなく、ちゃんと靴箱から出て回った。

こんなところに足を踏み入れる生徒はいない。
足跡ひとつない。

近くに転がっていた石で記憶にある久喜が埋めていたところをがりがりと掘ってみる。

何も出てこない。

先生とかに見つかったら嫌だなあ。ちょうど死角になっているから、窓から覗かれない限り知られることはないと思うけれど。

やっぱり掘り返したのかな。

もっと柔らかい土にイメージだったんだけど、ここじゃないのかも。


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