たゆたえども沈まず

「小学校の時の同級生のお母さんが教えてくれたの。温と久喜くんが賑やかなグループで車に乗り込んで行くの見たって。久喜くんって、高校辞めたのよね?」

その言葉を聞いて、口を噤む。

ママさんネットワーク恐るべし。

「どうして温は、関わっちゃダメって子といつも一緒にいるの?」

そして、それにはカチンときてしまった。

何も言わずに、鞄を持って階段を昇る。

「温、温!」

下からお母さんの声がするけれど、無視。
自分の部屋の扉をバタンと閉めて、ベッドに突っ伏した。

言われなくても、もう会えないかもしれないのに。


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