悲劇のヒロインと傍観者
そんな彼はいつも教室で音楽を聴いて授業を受けているはずだ。どうしてだ。
とりあえず右京を起こすことにした。
ベンチで寝ている右京のそばに行き体を揺すった。
「右京…右京ってば」
声をかけ、体を揺すってもなかなか起きてくれない。
ちょびっとイラついたから顔をペチペチと叩く。
「うきょ…キャッ」
名前を呼ぼうとしたら右京に腕を掴まれ、右京の上に跨るような形になってしまった。
いきなりのことでついていけない私はあたふたしている。
そんな姿を見て右京は眠そうな顔でクスクスと笑っている。