悲劇のヒロインと傍観者






そんな彼はいつも教室で音楽を聴いて授業を受けているはずだ。どうしてだ。





とりあえず右京を起こすことにした。




ベンチで寝ている右京のそばに行き体を揺すった。




「右京…右京ってば」




声をかけ、体を揺すってもなかなか起きてくれない。




ちょびっとイラついたから顔をペチペチと叩く。







「うきょ…キャッ」




名前を呼ぼうとしたら右京に腕を掴まれ、右京の上に跨るような形になってしまった。




いきなりのことでついていけない私はあたふたしている。




そんな姿を見て右京は眠そうな顔でクスクスと笑っている。





< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop