めぐりあわせ
次の日も、その次の日も 、それ以降も、岳のことが頭から離れない。
会社に出勤すると、中原さんはいつも通りに接してくれる。
やよいにも、報告した。
「それにしても、もったいないな〜」
「うん…」
「岳くんが好きなのは仕方がないけど、中原さんは本当にもったいない…」
と、会う度に言われる。
岳にはあのキスした時以来、3週間程会っていない。
家の前を毎日通っているんだけど…
そう思いながら歩いていると…
ブーン ブーン ブーン
スマホのバイブ音が鳴ってる。
響子だ。
ん?
どうしたんだろ?
『もしもし?』
『愛ちゃん?』
響子…
なんか、涙声だな…
『どうしたの?』
『わ、わたし…』
『うん。泣いてちゃ、わかんないよ』
『…うん…』
『大丈夫?』
『…うん…わ…わたし…けっ…結婚辞める…』
突然の話に戸惑った。