めぐりあわせ





次の日も、その次の日も 、それ以降も、岳のことが頭から離れない。



会社に出勤すると、中原さんはいつも通りに接してくれる。



やよいにも、報告した。



「それにしても、もったいないな〜」



「うん…」



「岳くんが好きなのは仕方がないけど、中原さんは本当にもったいない…」



と、会う度に言われる。



岳にはあのキスした時以来、3週間程会っていない。



家の前を毎日通っているんだけど…



そう思いながら歩いていると…



ブーン ブーン ブーン



スマホのバイブ音が鳴ってる。



響子だ。



ん?



どうしたんだろ?



『もしもし?』



『愛ちゃん?』



響子…



なんか、涙声だな…



『どうしたの?』



『わ、わたし…』



『うん。泣いてちゃ、わかんないよ』



『…うん…』



『大丈夫?』



『…うん…わ…わたし…けっ…結婚辞める…』



突然の話に戸惑った。




< 114 / 138 >

この作品をシェア

pagetop