ラブレター2
「すみません。」

頑張る意味、あるのかな。そんなことを考えながら、毎日、バイトをしていた。

いや、暇な時間を作ると、一人で考え込んでしまう自分がいたから、バイトばかりのスケジュール帳ができていた。

「はい、どうしました?」

可愛い三人組の女の子達が、僕の前にいる。

その内の一人の子が、僕に話し掛けてきた。

「あの…。」

見た目は大学生くらいかな。と思っていた時、僕の後ろの方から、

「お疲れ~すっ。」

と、同時期に入ってきた、同じ年のギャル男くんが現れた。

背が高く、日焼けサロンに行っているだろう色黒で、髪の毛は金色。

「おっ、来てたか。」

女の子達に向かって、陽気な挨拶を見て、直ぐに、こいつの友達か。と分かった。

「紹介するよ。これ、俺の彼女。」

他の二人は、こいつの、彼女の友達。と説明され、どうも。と、カウンター越しからの挨拶。

僕と正反対なギャル男くん。

知り合いと分かる容姿の三人組を、あ~。と理解した。

「聞いてみなよ?」

つい先ほど、僕に話し掛けてきた女の子に、隣にいる、こいつの彼女が話していた。

「どうしました?」

よく分からなかったが、気になって僕の方から話しかけていた。

「何か、飲みますか?」

目の奥を覗き込むと、瞳を逸らされた。

「違うよ。」

隣から、軽い声が聞こえてくる。

「ゆうと、友達になりたいんだよ。」

ニコニコ。と言うより、ニヤニヤ。した顔で、僕に言う。

前に一度、お店に来てくれた時、気になってくれたらしいけれど、僕は、全く覚えていなかった。

「いや、彼女いるから。」

意味の無い強がりを、僕は、また繰り返す。

「遠距離っしょ?バレないって。」

耳元で囁かれる声だったけれど、バレる。以前の問題。

また、好きになってもらうから。って、あいに言ったけれど、友達。を断る意味、あるのかな。

「凄く可愛いけれど、ごめんね。」

年下の、本当に可愛い女の子。

「君には、もっと良い人いるよ。」

自分に言われてるような言葉を返すと、ありがとうございます。と言われる。

誰も、褒めてくれないことは知っていても、何を頑張ればいいのか、教えてもらえなくても、ただ、あいの笑ってる姿だけが、僕の脳裏に焼き付いていたから。
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