殺戮都市
俺の言葉に、驚いた表情を見せる新崎さんと奈央さん。


「まさか……そんな人間がいるとは思えないけど。夢でも見たんじゃないのかい?」


いや、それならこの世界の方がずっと夢みたいなんだけど。


「本当ですよ!黒いライダースーツにフルフェイスのメットの女の人……あ、メットにはドクロが描かれていたと思んですけど」


確か、そんなデザインだったような気がする。


死にかけていたから、はっきりとは覚えていないけど。


「それって……『死神』じゃない?ほら、少し前に聞いた事あるじゃない」


「ああ、死神ね。だから真治君は死んでしまったわけか」


なぜか、妙に納得した様子の二人に、今度は俺が納得出来ない。


なんだよ死神って。


俺をあっさり殺したから死神って言われて腑に落ちてしまったけどさ。


「ある意味伝説よ?どこの戦場にもフラッと現れて、人間もポーンも殺して行く女の死神って。まあ、出会ったら運がなかったと思えば良いわ」


それだけの情報しかないのか。


まあ、俺はもっと分からないから、それが聞けただけでも良かったと思わないと。


「さあ、始まるぞ。皆、覚悟は出来たか?」
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