殺戮都市
妙に統率の取れた一斉攻撃に、逃げるしかなかった俺。


迫る矢を弾きながら、ビルの陰に隠れようとした時だった。


暗闇から飛び出してくる人影。


それも一人じゃない。


まるで俺を待ち構えていたかのように、すうにんが武器を構えて襲いかかって来たのだ。


「嘘だろ!?くそっ!!」


目の前でナイフが振られる。


地面をグッと踏み締めて、辛うじてそれを回避したものの、畳み掛けるようにその人影の背後から木槌が振り下ろされた。


それを捉えたのは今にも直撃しそうになっている時。


結局、やらなければならないのか。


身を低くした俺は、ナイフを振った人物の脚の間に刀身を入れ、両手で柄を握り締めて、前方から後方へと大きく弧を描くように振り上げた。


切り裂かれる二人の人物。


木槌も切断され、宙を舞って亡骸と共に地面に落ちたのだ。


それでも、ビルの陰からまだ人は出て来る。


きっと、俺達を殺そうと必死なのだろう。


それにしてもこの数はどうだ?


まるで俺達がここに現れる事が分かっていたかのように、人が配置されているのだ。


考えたくはないけれど……俺達が来る事を、誰かが知らせたんじゃないかと思えた。
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