殺戮都市
この棍の反発力は生物に対してだけ働くのか。


それともどんな物に対しても働くのか。


道路を軽くコンコンと叩いてみてその答えは分かった。


普通に跳ねる程度で、特別強い反発力が生まれているとは思えない。


つまり、敵に対して……だけの特性と言える。


「ガルルル……」


いかに人間の肉を喰らうだけの怪物とは言え、三匹も地面に倒れていては迂闊に飛び込めないと判断したのか、俺から少し距離を置き唸り出した。


三匹がいつ起き上がるか分からないってのに、そんな事をされたらたまらない。


「おい、来ないのかよ?だったら……」


俺は逃げる!


すぐさま振り返り、光の壁へと走り出す。


何も怪物を倒したいわけじゃない。


それに、この棍に強い反発力を生む力があると言っても、日本刀と比べると破壊力は恐ろしく小さい。


一撃で怪物の頭部を吹っ飛ばせなかったのが良い証拠だ。


ポーン程度で苦戦していては、ナイトを相手にしたら1分と持たないだろう。


なんとか怪物を凌ぐ事が出来て、余裕が生まれたから冷静に分析出来た。


チラリと背後の方を見ると、追い付けるはずなのに、残りの一匹は一定距離を保って後を追って来ていた。
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