殺戮都市
なんだか不気味だ。


一気に間を詰めて襲って来るわけでもなく、俺を監視しているよう。


そう言えば、この一匹だけ俺には飛び掛からなかった。


他の怪物と比べると、少し身体が小さく感じる。


その分力も弱くて、一人では勝てないと理解しているとか?


だから、俺を付け回して仲間がいる方に誘導していたりして……。
















なわけないよな。


仲間を呼んだら肉を喰う量が減る。


体格的に他の怪物に劣るこいつが、肉の取り合いで勝てるとは思えないから。


だからきっと、俺が隙を見せるまで付け回す気なのだろう。


「ったく、諦めろっての!」


キングのあるビルを通り過ぎ、200mほどは走っただろうか。


それでもピタリと距離を保って怪物が付いて来る。


狙うなら俺じゃなくても良いだろうに、どうして付いて来るんだよ!


何か、言いようのない不安を感じた俺は、近くのビルに入って怪物を振り切る事にした。


ビルの中には入って来ない。


怪物が諦めて何処かに行ってくれるだろうと思ったから。


だから入るのはどのビルだって良い。


そう考えて、一番近くにあったビルに逃げ込んだ。
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