殺戮都市
マジかよこいつ!


普通諦めて何処かに行くだろ!?


それなのに、座り込んでまで俺が出て来るのをまってたってのか!?


何か、異様な不気味さを感じ、俺は棍を抜いて構えた。


俺が武器を取り出した事に気付いた怪物も、慌てたように飛び起きて俺と距離を取る。


「クゥゥゥン……」


何かおかしい。


寂しげな声もそうなんだけど、この怪物は俺を襲って来ない。


さっきの遭遇戦からそうだけど、他の三匹は俺を喰おうと必死だったのに、この怪物だけは違っていた。


……いや、違っていたとしても関係ない。


何を考えて俺に付きまとうのかは知らないけれど、他の怪物が寄って来ないとも限らないのだから。


「おい!掛かって来いよ!二度と付いて来られないようにぶっ殺してやる!」


小さな個体の怪物一匹くらいなら、棍であっても殺す事くらい出来るだろう。


何度も何度も殴り付ければ。


そう、決意して棍を握り締めたけど……怪物は、そんな俺に臆したのか、ジリジリと後退りしてビルの陰に隠れたのだ。


「何なんだよ……もしかして偵察役か?怪物も組織的に動くようになったって事か?」


考えたくはないけれど、俺が眠っている間にこの街も変わったのかな。
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