殺戮都市
「東軍が戻って来るって言ったよね?それもあるんだけどさ、戦闘終了時間になると、死体を漁りにポーンが来るのよ。街の掃除ってわけ」


だからさっき、こんな時間にって言っていたのか。


街の中央の塔を守ってるんだよな、ポーンは。


俺達が最初にあの怪物に会ったのは、そんなはぐれポーンだったのかな。


「それにね、戦闘終了時間になれば、自分の陣地にいれば、負った傷は回復するの。だからそれまでゆっくり休める場所が欲しかったのよ。ただそれだけ。ちょっと期待しちゃったかな?」


そういう事だったのか……ちょっとと言わず、かなり期待してしまったのが恥ずかしい。


と、同時に、凄まじいガッカリ感に襲われる。


「そ、そんな事はないですよ。奈央さんの事だから、絶対にこれにも意味があるんだと思ってましたから……」


なんて強がりを言ってみせた。


それにしても、戦闘が終わったら傷が回復するなんて、本当にゲームみたいだな。


腕が折れたかもしれないから、それは助かるんだけど。


スマホアプリと、オンラインゲームが混じったようなシステム。


どうしてこんな事が起こり得るのか……学校の教室にいた俺がここにいる事ですら説明が出来ないのだから、俺に分かる事なんて何もなかった。
< 70 / 845 >

この作品をシェア

pagetop