殺戮都市
『戦闘が終了しました。今回の戦闘報酬が配布されましたので、端末を確認してください』


端末から流れたその声に、俺は言われるままにポケットから取り出してそれを見た。







ー戦闘報酬ー


・対人戦果
殺害……1
囮……1

・対獣人戦果
撃退……1


報酬……ソウル1個







そう書かれていて、画面の右上に表示されていたソウルの数が5個になっているのが確認出来た。



気付けば左腕に痛みがなくて、奈央さんが言ったように傷が癒えたのだというのが分かった。


「あ、やった。ソウルが2個増えてる。まだまだ生きられるよ」


バスタオルを身体に巻いて、脱ぎ捨てたデニムのパンツから端末を取り出した奈央さんが、歓喜の声を上げた。


でも、ソウルが増えるって事は、その分減った人がいるって事だよな……俺が殺してしまった人とかさ。


「これ……素直に喜べないですよね。人の命をもらったみたいで」


綺麗事を言っているって事は分かってる。


殺さなきゃ殺されるし、死よりも苦しい拷問を受けるかもしれないって事は。


だけど……そんな簡単に割り切れる問題じゃない。


そんな俺を見て、奈央さんが立ち上がった。
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