殺戮都市
「……思ったよりも勾配がきついな。これじゃあ登れそうにない」


そんなのパッと見ただけでも分かるだろ。


改めて試さなくても分かる事なのに、恵梨香さんは本当にここを登るつもりだったのか?


「じゃあ、どうするんです?このまま『入れなかったから解散!』なんて話は通じませんよ?」


俺に……じゃない。


この為に集まって、中央部に攻め入った北軍と南軍の人達に対して。


あまりにも無責任なその言葉だけは、発したくなかった。


「さて、どうするかな」


珍しく恵梨香さんが口籠った。


入り口がないという、予想もしていなかった事態が発生して、どうすれば良いのか分からないのだろう。


それは俺も同じで。


天を貫く巨塔は、力のない人間の侵入を拒否しているのだ。


まるで……俺達をあざ笑うかのように。


何も出来ずに立ち尽くして考える事数分。



















「いたいた、もう、詳しい場所が分からないから探したわよ!」
















そんな俺達の前に現れたのは……大山田だった。


相当な死闘を繰り広げたのだろう。


身体の前面、頭のてっぺんから足の先まで血塗れで、どれだけポーンを仕留めたのか、それだけでも良く分かった。
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