殺戮都市
恵梨香さんも考えているんだろう。


所属する軍の垣根を越えて一つの目標の為に立ち上がった人達を、「バベルの塔に入れませんでした」という理由で落胆させたくないんだと。


「じゃあ、俺が先に行きます」


「プリティボーイ……良いわ。あなたが一番乗りよ。私があの窓まで運んであげる」


そう言って取り出した手斧。


この上に乗って、大山田の力で飛ばしてもらえば良いんだな。


「少年、その場でジャンプしろ。大山田は少年の足に斧の背をぶつけるんだ。出来るな?」


「その方がありがたいわ。特大のホームランを打ち上げてみせるわよ」


話しているうちに、やけに乗り気になって来た大山田。


「じゃ、じゃあ……よろしく」


大山田の前に立ち、窓を見上げた俺は深呼吸を一つ。


出来るだけ高く飛んで、打ちやすくした方が良いな。


そう考えて俺は、グッと足に力を込めてその場で飛び上がった。


日本刀のおかげで、普通では考えられないくらいの高さまでジャンプ出来るけど……それでもせいぜい3メートルほど。


あの窓には届かない。


頂点からゆっくりと落下を始める身体。





「ぬおおおおおおおっ!!」





大山田の声が、気迫が、俺の背中にビリビリと伝わって来た。
< 762 / 845 >

この作品をシェア

pagetop