殺戮都市
「真治君、今どこにいるんだい?実は塔の事なんだけど、入り口が見当たらなくてね」


中川を待っていると、端末から聞こえたその声に、俺は詳しく状況を説明した。


どこを探しても入り口なんて存在しなかったという事、窓から中に侵入したという事を。


「……分かった。何とかしてみるけど、無理かもしれない。悪いけどその時は僕達は無視して進んでくれないかな?」


その可能性は考えていたけど、おっさん達が来ないかもしれないのは少し寂しいな。


この街に一緒に来て、そこからは別の道を歩んだけど、また最後は一緒になるかもしれないと思ったのに。


「仕方ないね。期待しないで待ってるよ」


そう返事をして通話は終了した。


おっさん達を北軍に移動させて、大山田に放り投げてもらうという手もあったけど、明美さんがどうも恐いんだよな。


大山田に斬り掛からないとも限らない。


いや、その可能性は十分にあるから。


明美さんなんて、同じ軍の俺にだって平気で斬り掛かるくらいだから。


もう殺す気満々でさ。


「少年、中川が来るまで少し話でもしようか」


白い壁。


窓から塔の中心部分に伸びる通路のそこにもたれて腰を下ろした恵梨香さん。
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