殺戮都市
白いトンネルをしばらく歩いた。


不思議だったのは、照明なんてどこにもないのに明るくて、壁自体が淡い光を放っている事。


そのおかげで俺達は何の苦労もなくこの中を歩けているわけだけど。


「どうやら空振りではないようだな。何か見える」


恵梨香さんがそう言って、前方を指差した。


「なんか……広い空間が見えますね」


良く見てみると、どこまでも白く光ってるはずのトンネルの先に、別の色が見えたのだ。


「さてさて、いったい何があるんだここは」


中川の言葉に、急にドキドキしてきた。


不安……と言うより、ある種の期待が生まれてワクワクする。


近付いて見てみると、広い空間。


円形の広場に、俺達が通って来たような通路が何本か。


さらに広場の壁には螺旋状の階段がずっと続いている。


そして、その中心には太い柱のようなものが見えないほど上の方まで続いていたのだ。


「……この階段を上れと言う事か?随分単純な造りだな」


「単純な造りって……お前、これを上るのにどれだけ時間が掛かると思ってるんだよ」


上の方が黒くて見えない。


この階段を、どれだけの時間を掛ければ上れるのかは……全く分からなかった。
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