殺戮都市
「さあ、どうする。このまま三人で行くか、それとも来るかも分からない南軍の奴らを待つか」


恵梨香さんの言葉は俺を悩ませた。


おっさんは来ると言っていた。


だけど、俺がその場にいたわけじゃないから、本当にそれが可能かという事は分からない。


もしかすると、待っていても現れない可能性だってあるのだ。


「少しだけ……待ってもらっても良いですか?10分で良いですから」


だけど俺は、おっさんが行くと言ったのだから必ず来ると信じていた。


10分では来ないかもしれないけど、その後にでも来てくれれば、俺達との距離は今よりは縮まるはずだから。


「分かった。だが10分経ったら行くぞ」


俺は小さく頷き、恐らく南軍の方に続いているであろう通路に目をやった。


「それにしたって何なんだ?この柱は。この程度の柱でこんなバカでかい塔を支えてるってのかよ。構造上無理があるだろ」


広場の中心にある柱に近付き、それをコンコンと叩いてみせる中川。


「この街は現実的と非現実的で成り立っている。この塔がどんな無茶な構造でも驚きはしないさ。空中に街が浮いていたって私は驚かない」
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