殺戮都市
「さあ時間だ。これ以上待っていても仕方がない。頂上を目指すぞ」


とうとうおっさん達は来なかったか。


少し寂しいなと感じながら南軍の方に続く通路を見ていた、俺の肩をポンッと叩く恵梨香さん。


もう少しだけ待ってください……と言いたいけど、いくら待っても現れないかもしれない。


そう考えると、ここで足を止めるわけにもいかない。


「……分かりました。行きましょう」


そう呟いて、俺は螺旋階段へと向かった。


この広場の壁に沿うように造られた階段。


一体何百段あるのか、いや、何千段あるのか見当もつかないけれど、その最初の一歩を踏み締めた。


「終わりが見えねえな、こりゃ。ハンマーは出さない方が良さそうだ。しっかしまあ、よくもこんな塔を建てたもんだよ」


俺の日本刀とは違い、中川のハンマーはどう見ても身が軽くなるとかいう類の武器ではない。


むしろ、武器の威力を上げる為に身体の重さが倍増してそうな気さえする。


「無駄話は止めておけ。私や少年と違って、お前はすぐに限界が来そうだ。疲れたから待ってくれと言われても、私は待たんぞ」


「ハッ!絶対に俺の方がスタミナがあるね!その言葉、そっくりそのまま返してやるぜ」


フフフと自信ありげに笑って、中川は俺達の一歩先を歩いていた。
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