殺戮都市
十数分後。


「はぁ……はぁ……お、おーい……待ってくれー」


中川は俺達の後方、半周以上差が開いて階段に腰掛けていた。


広場の中央にある柱に遮られない位置で休んでいる中川を見て、フウッと恵梨香さんが溜め息を吐く。


「だから言ったんだ。あの巨体で私より先に進めるわけがない」


「まあまあ、そう言わずに。ここで中川を置いて行ったら、何の為に仲間を集めたか分からないじゃないですか」


恵梨香さんは適当なんだよなあ。


自分の力だけじゃどうにもならないと分かってるはずなのに、一人で突っ込んだり。


計画的に見えて、実は行き当たりばったりの超無計画だったりさ。


行ける!と思って行くんじゃなくて、まあ行ってみるか?で行ってしまうタイプ。


だから時に失敗するんだよ。


「まあそうだな。私達二人だけで行くのなら、仲間を集めた意味がない」


俺が言わなきゃ、本当に中川を置いて行きそうだから怖いよ、この人は。


中川を待つ為に、階段に腰掛ける恵梨香さん。


俺も同じように腰を下ろして中川の頑張りを眺める。


その中川は、壁に手を突きながら一歩一歩、踏み締めるように歩いていた。
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