殺戮都市
「うおおおおおっ!!」


頭の中に聞こえた狩野の声に助けられた。


咆哮と共に振り抜いた棍の反発力が、弾き飛ばされた力を上回る。


バクンと閉じられたビショップの口……。


辛うじてその外に脱出する事が出来た俺は、口を蹴って階段の方へと飛んだ。


だけど、飛距離が全然足りない!


元いた場所は無理だけど、下の階段なら着地出来るかもしれない。


素早く棍を日本刀に持ち替えた俺は、二周ほど下の階段になんとか着地する事が出来た。


「うおっ!真治!いきなり落ちてくるんじゃねえよ!」


「大丈夫かい!真治君!」


運が良いのか悪いのか……俺が着地した場所には丁度おっさん達がいて、俺を引き起こしてくれたのだ。


「こいつ……かなりヤバい!ルークとは違う硬さがある!」


ルークはいわば、頑強な硬さ。


でもこいつは、滑らかな硬さと言うべきか。


こちらの攻撃が皮膚の表面を滑って、効果的なダメージを与えられないのだ。


「ふぅん。でもさ、あんたがやったんじゃないの?あれ」


軽くパニック状態になっている俺に、明美さんがビショップを指差して尋ねた。


その指が示す方向には……ビショップの尻尾。


俺が日本刀で受け止めた場所が、僅かに切れていたのだ。
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