サヨナラと秘密を用意して。


ふと、思った事を聞いてみた。

「ねぇ、家にいつ帰ってるの?奥さん怒ってない?」

「12時頃一度帰ってお風呂入って、また街までくるよ。
嫁はかなりキレてるね。でも、夜遊んでるのは今に始まった
事じゃないから、気にする事ないよ」

「キレてるって...普通なら気にするよ。笑
どんな感じなの?」

「ギャーギャー喚くし、家の中の物は壊すしって感じ。
最近はもう一緒に寝ないで俺はソファで寝てるんだけど、
それも気に入らないみたいで、また怒る」

「大変だね...。ヒステリックなんだ...」

「まぁうちの話はいいじゃない。あおと飲んでようが、
誰と飲んでようが帰るのが遅いのは一緒だし楽しく飲もうよ」

「そういうもんかねぇ」

「そういうもんだよ。あおは気にしなくていいの」

「はいはい」

何だか、この時点で勝ったような気持ちになった。
陸の気持ちは、あたしの所にある、と。

< 26 / 96 >

この作品をシェア

pagetop