サヨナラと秘密を用意して。
街にあるクラブをあちこちと回る日々。
陸は顔が広く、どこに行っても
「あ~陸だぁ~」
と言われるし、あたしは紹介されてどうしていいか
わからない日々が続く。
そのうち、みんなから、
“あおちゃん”とか“陸のあおちゃん”とか
言われるようになり、みんなが歓迎してくれるようになった。
毎週末行われるクラブのイベントに顔を出し、
2人とも悪戯好きだからシャンパンをDJにいっきに飲ませて遊んだり、
いろんなイベントに顔を出すようになっていった。
段々広がる知り合いの輪。
この街にきて初めてできた輪だった。
今までは春ちゃんと春ちゃんの親友の彼女さんしか
友達ができなかったあたしには嬉しかった。
狭かった世界がどんどん広がっていく。