鎖恋-僕たちクズですー
買い物後は早めのディナーを食べた。

ディナーといっても学生の僕にはいいレストランなんて無理

ファミレスで我慢してもらうことに。

「やっぱゆうくんとはこういうところが一番落ち着く。」

真奈は案外、庶民的な感覚で馴染んでくれる。

「彼とデートの時はこんな店じゃないよな?」

「・・・もぅ・・彼なんていないからぁ・・・」真奈はクスっと笑う。

「え?そうなの?」

「別れたよ。とっくに。」

運ばれてきたハンバーグセットを2人で頬張りながら

話題は真奈の恋バナを聞いている僕。

確か、真奈には年上の彼氏がいたことは知っていたが

「別れた」なんて・・・

それが家出の原因なのか・・・

仕事も辞め

彼とも別れ

真奈の事がますます気になるっていうか

自然と不安になてしまう僕は

「とりあえず。しばらくうちで落ち着け。」

真奈を引き留めているというところもあった。


食後は映画でも。なんて思っていたが

ハンズで購入した抱き枕が

なんともお荷物状態で・・・

「帰ろっか♡」

真奈からそう言ってきた。

でも最後に・・・

「こっちこっち♡」

地下街のランジェリーショップの前で真奈が止まった。

「新しい下着が欲しいな♡」

「マジかよ・・」

真奈は僕の好みの下着が欲しいと言うことを聞かない。

「・・・ん・・じゃぁ・・ピンクのほうで」

「うん♡可愛いねコレ♡」

ピンクのベースにレースのドレープがきいた可愛らしいランジェリーを購入した。

「ふーーん。ゆうくん・・こんなの好きなんだ?」

アパートに帰るなり

真奈はそれを着けて、僕に見せた

「ちょっと・・・やめろよ」

目のやり場に困る僕をよそに

真奈は下着姿で部屋をウロウロする。

「僕も男なんですけど・・・」僕は心の中で何度も叫んでやりたかった。
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