鎖恋-僕たちクズですー
「今日はお二人で?」

その清楚な美人お姉さんは僕たちに話しかけてきた。

「ハイ。連れ同士で・・・」

「ふーん。可愛いね。彼女さんとかいないの?」

そういいながら僕たちを上から下まで舐めるように見下ろす。

「いないですよ・・・クリスマスなのに。」

「へえ・・・可哀そうに・・。私もだけど。」

くすりと笑う姿が妙に色っぽい。

「ゆう・・。俺はあの子な。」まもるはそう言うなり

僕の元から去って行った。どうやら気になる子を見つけたらしい。

「互いの健闘を祈って!」男同士はここまでで、僕はその美人さんと

意気投合できると信じていた。

「私、ゆきです。仕事は普通のOLなんだけどね。」

ゆきは自分から積極的に僕にアプローチしてきた。

「クリスマスに一人なんて寂しいよねー。」

ゆきはやたら「寂しい」という言葉を繰り返す。

「それだけ美人なのに本当に一人なのか?」僕は内心そう思っていたけど

なんだかゆきの話を聞いている限り男は遊びの対象にしか思えない。

「じゃぁ・・・僕でもいいの?」

「満足させてくれる?」

そんな会話に

僕はちょっと動揺してしまう。

完全肉食系女子ってこういう人なのかもしれない。

返事がだんだん鈍ってくると

ゆきは次の獲物を物色するかのように

僕の元を去って行った。

パーティーが進むにつれて

ポツポツとカップルが出来上がっているというのに・・

焦りだした僕は

席を変え次々と女性にアタックしまくっていった。

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