愛情の鎖

例え宗一郎さんが私に沢山の愛情を注いでいてくれていたとしても、何故か響くものを感じられない。


それは何故なのか…

二周り以上も歳の離れた彼。宗一郎さんはきっと女性にモテると思う。いや確実に。

そんな彼が、ましてや住む世界の違う彼がどうして私のことを好きなのかは分からない。


一種の気まぐれ?

それならそれで別に構わない。

彼の気持ちが冷め、私を今の状況から解放してくれるのならばそんなに嬉しいことはない。

現に最近の宗一郎さんの私物からは他の女性の陰が漂う時もあるのだ。

それは宗一郎さんのワイシャツ…



「ほらね。今日も……」


脱衣所に脱ぎ捨てられたそれを手に取ると甘ったるい香水の匂いがけっこうな強さで匂ってくる。

それが本命なのか遊びなのか。正直私には分からない。

だけど他にそういう人がいるならそっちで性欲を満たせばいいのにと思ってしまう。

ほぼ毎朝私を抱きながら他の女性も抱ける宗一郎さんに感心さえしてしまう。


「早く飽きてくれればいいのに……」


私はもう一度ため息を吐くと、宗一郎さんシャツを洗濯機の中にポイッと無表情で放り込んだ。



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